幼児期における子どもの遊ばせ方に関する研究発表
一般の親子が、より良い“遊び”に挑戦!

プレイフルラーニング~幼児の「遊びと学び」プロジェクトでは、1月27日、千代田アーツ3331(東京都千代田区)にて、「幼児期における子どもの遊ばせ方に関する研究発表~一般の親子が、より良い“遊び”に挑戦!~」を開催しました。プロジェクトメンバーによる研究発表を行うとともに、本プロジェクトがこれから提唱していく子どもの遊ばせ方について体験プログラムを設け、紹介することを目的としたものです。

プロジェクトメンバーが遊びの大切さや遊び道具の選び方について講演

発表会は、プロジェクトメンバーの一人である同志社女子大学・上田信行教授のビデオメッセージからスタート。本プロジェクトの名称にもなっている「プレイフルラーニング」について、「本気で関わっているときのワクワクする心の状態がプレイフルであり、楽しく学ぶのではなく、楽しさの中にこそ学びがあふれている。子どもがプレイフルになる環境を作るための工夫を、本プロジェクトを通して紹介していきたい」とのコメントが披露されました。

続いて第1部では、プロジェクトメンバーであるお茶の水女子大学の内田伸子名誉教授と、十文字学園女子大学の大宮明子准教授による講演が行われました。
内田教授は「幼児期の遊びの質で将来が変わる~遊びと将来の相関調査より~」と題し、発達心理学や脳科学の見地から幼児期の遊びの大切さを解説。遊びが豊かであればあるほど想像の世界が広がり、学力の基盤となる子ども自身で考える力、創造的想像力が育つが、親の関わり方も重要であるとのお話がありました。その中で、しつけスタイルに関する研究結果も踏まえ、子どもにあれこれ指示・命令する「強制型」ではなく、子どもの気持ちに寄り添う「共有型」の関わりが子どもを伸ばすとのお話もして頂きました。
子どもが何かしているとき、親が口出ししてしまうと、子どもは自分で考えることをしなくなってしまうため、子どもが質問してきたときや、つまずきそうになっているときにも「すぐに答えや指示を与えるのではなく、子どもが自ら視野をひろげて自分で考えられるような援助をしてください」と内田先生。子どもを伸ばす援助のポイントは「3H:ほめる・はげます・(視野を)ひろげる」であり、「幼児期には50の文字を教えるより、100の『なんだろう』を育てることが学びの意欲、基礎力となる」とのことでした。

一方、大宮先生からは「意欲が育つ遊び道具の選び方」として、次の3つのポイントが挙げられました。
<せばめない>
遊びは子どもの主体的な活動なので、遊び方が決まっているものより、子どもが自由に遊びを変化・発展させられる“余白”のあるものを選びましょう。
<ちょっと難しい>
簡単すぎず難しすぎず、子どもができることより少し上のレベルの発達段階に合ったものを選びましょう。「ちょっと難しい」ものは試行錯誤を生み、意欲や成功したときの達成感・自信につながります。
<押しつけない>
遊びは子どもが主役。親の価値観ではなく、子どもの成長や興味に合わせ、夢中になって遊べるようなものを選びましょう。

「せばめない」「ちょっと難しい」の工夫を凝らした特設の遊びスペースでプレイフルラーニングを実践

第2部は「遊ばせ方の実践 プレイフルラーニング体験」として、子どもたちには特設の「遊びスペース」で自由に遊んで頂きました。また、お母さま方には親向けプログラムの読み聞かせ講座(実演・指導)に参加していただきました。

①のコーナーでは、多くの子どもが無地の箱に絵を描きシールを貼り、ペットボトルのフタや竹串で車輪をつけて、思い思いの車や電車を製作。時間をかけ丁寧に作る子もいれば、出来上がった車ですぐにお友達と遊び始める子もいました。うまく走らせるために車輪の位置や向きを調整したり、白無地のシートにクレヨンで道や木を描くだけでなく、街のシートに建物を描き加えたりするなど、遊びをどんどん広げていく様子も見られました。
②のコーナーでははじめは、保育者と一緒に遊ぶ子どもたちもいましたが、しばらくすると自分たちで役割を決め遊ぶグループが現れ、「入れて」と入ってきた子どもに対して、「お金を作ってきて」「このカゴを持って」などと分担する場面も見られました。

 ③の巨大ブロックのコーナーでは、積みあげては倒れを繰り返しながら、子どもが自分で考えて試行錯誤している姿が見られました。また、ブロックの上に乗ったり、積み上げたブロックを思い切り崩したり、体を使った遊びにも発展していました。

印象的だったのは、時間がたつにつれ、子どもたちの発想で遊びがコーナーを越えてつながり、広がっていったこと。前半はひとつのコーナーで遊ぶ子どもがほとんどでしたが、後半になると、③のブロックのコーナーでおうちを作り、そこから②のお店屋さんに買い物に出かけたり、③から①にブロックを運んで街のシートの上に積み上げたり、横断的にコーナーを活用し遊ぶ様子が見られました。

今日からできる読み聞かせのコツを披露

親向けプログラムでは、まず内田先生が子どもを伸ばす親の関わりについてお話しした後、大宮先生が指導にあたっている幼児教育学科の学生が女児を相手に読み聞かせを実演しました。読み聞かせは身近な親子のコミュニケーションですが、他の人の読み聞かせを見たり、読み聞かせの方法について知る機会はなかなかないもの。参加したお母さまたちは熱心に聞き入っていました。

大宮先生によれば、読み聞かせのポイントは「子どもが見やすいように絵本を傾けて持つ」「意識してゆっくり読む」「子どもの反応を確認しながら読む」の3つ。当たり前のことのように感じられますが、実は多くの方が出来ていないこと。読んでいる途中に子どもが話しかけてきたときは、お話を中断してでも、子どもの言葉に答えたほうがよいとのことでした。大切なのは子どもと一緒にお話の世界を楽しむことであり、「ぜひ今日からやってみてください」との大宮先生の言葉で、発表会は締めくくられました。

PAGE TOP