
- 沢井佳子先生
- (チャイルド・ラボ所長、「日本子ども学会」常任理事。
専門は発達心理学。認知発達支援と視聴覚教育メディア設計が専門。)
- 映画館に行くときは移動中や食事時間までもがひとつのイベント。「家族で楽しい時間を過ごしたい」という思いで出かけるウキウキ感は子どもにも伝わります。また、映画館では大人も子どももスクリーンの前に並んで一緒に物語を観ます。子どもにとって「自分が見たものを、おうちの方も一緒に見ていて知っていること」は、とても嬉しく安心なことなのです。このように、楽しくて、いつもとは違う「特別な記憶」を共有することは、家族の絆を深め、いつまでも心に残る体験になります。
- 映画館では大勢の人が同じ場面で盛り上がったり、悲しんだりします。世代も性別も違うたくさんの人がみんな同じ気持ちになっていることを、子どもは肌で感じます。例えばお祭りや結婚式なども、知らない人同士が喜びや楽しみを共有する場ですが、あとから映像だけ観ても実際の雰囲気はなかなか感じられません。映画館でも同様に、多くの人とともにその場にいることで、子どもは自分をとりまく社会を自然に、そしてポジティブに感じ取るのです。
- 音楽や映像の優れた映画は、小さな子どもの心も引きつけます。また、映画には、架空の世界をあたかも本物のように見せる力があり、「想像の世界は、限りなく豊かで自由であること」を感覚的に学ぶことができるのです。たとえ物語は理解できなくても、一瞬ごとの映像や音楽、場面に感動すれば、子どもは一生懸命に鑑賞します。年齢ごとに楽しみ方は異なりますので、お子さまが興味をもてる内容で、丁寧に制作された作品を選びましょう。 初めての映画鑑賞は、「自分も想像したことを表現したい!」というお子さまの思いをきっと伸ばしてくれるはずです。
- お子さんが最後まで楽しめるように、場面ごとの楽しさを重視して、アニメーションパートのおはなしをメインに実写パートでのミュージカルと二部で構成しています。はじめのミュージカルパートでは子どもたちの大好きな歌やダンスで海の仲間たちと盛り上がります。物語の核は感情が豊かに伝わるアニメーション。しまじろうたちの気持ちや作品に込めたメッセージをじっくり描きました。
- 小さなお子さんの集中力を考慮して、上映中に1回休憩を入れます。「このあとどうなるのかな?」などのおしゃべりやトイレ休憩にご利用ください。
- 映画館が初めてというお子さんでも抵抗がないよう、場内は完全に暗くしないことにしました。音量もお子さんが驚かない程度に調整しています。
※劇場によって休憩・暗さの状況が変更になる場合がございます。
- 娘の映画館デビューで、落ち着いて観ていられるか心配でしたが、最初から最後までしっかり楽しめる構成で、また劇場の子どもたちが一緒に盛り上がって参加でき、とても楽しんでいました。途中休憩があったのもよかったです。メガホンに大喜びでした!
(P.Nくろみさんと3歳のお子さん)
- 映画というより、映像とともに子どもが遊べる参加型のエンターテインメントだと思いました。子どもも飽きずに楽しめたのはもちろん、大人も子どもの気持ちを理解するのに役立つ映画で、ぜひともおすすめしたいと思います。
(P.Nさとじろうさんと4歳のお子さん)